密着取材 26日目 晴れ
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流れるもぐら
私は今日も花壇の花畑まで来ていた。
目的はもちろん、ポット犬が空高く豪快にふっとばした、あのもぐらを調査する為だ。
とは言うものの、相手はもぐら。
先日、地中へと潜っていたところを見ても分かるように、探すのに困難しそうだ。
案の定何も見つけられないまま、時間だけが過ぎていく。
記者としてス、クープの為に辛抱強く待つことも必要。
が、ここだけの話、私は我慢があまり得意な方では無い。
あくまでも「記者仲間の間」での話しだが...
集中力を切らした私は、その場に仰向けになって寝転んだ。
優しい花の香りに包まれる。
空が高く、青い。
雲がゆっくり流れていく。
雲と一緒に、もぐらも流れていく。
こんなに良い天気なんだもの。
もぐらも飛ぶさね、うんうん。
・・・・・・!?
もぐらが・・飛んでるわ。