密着取材 28日目 晴れ
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風よ吹け
まるで綿毛の様にふわふわと飛ばされていくもぐら。
あの方角は・・・どかんさんの家だ。
何が出来るわけでもないが、心配になったので私はもぐらを追いかけた。
しかし、あのもぐらはポット犬に引っこ抜かれたり、こうして風に飛ばされたり大変だ・・
突風も弱まったところで、鼻のプロペラを上手く使い徐々に高度を下げていくもぐら。
丁度どかんさんの家の付近だった。
すると、タイミング良く家の中からどかんさんが出てきた。
空から降りてくるもぐらを黙って見つめるどかんさん。
そう言えば私が見つかった時も、ただじっと見つめ返すだけで動じなかった。
無口なやつなのだろうか・・・
もぐらがどかんさんの目の前に着地しようとしたその瞬間だった。
またもや突風が吹き荒れた。
再度飛ばされまいと、とっさにどかんさんの土管にしがみつくもぐら。
両手で必死に土管を押さえるどかんさん。
これは・・脱げるぞ・・!!
どかんさんには悪いが、今だけは突風ともぐらを応援せざるを得ない。
私はなんとしても、どかんさんの土管の中身が見たいのだ。