密着取材 29日目 晴れ
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げんぞう
脱げない。
まったく脱げない。
恐るべし、どかんさんの腕力。
突風も収まりもぐらも無事、地面に着地。
度重なる突風に疲れたのか、もぐらの鼻の花もしんなりしてしまっている。
ぐったりと真下へ伸びたそれは、まるでおじいさんの髭の様だ。
そう言えばまだ、もぐらには名前をつけてやってない。
おじいさん・・髭・・・げんぞう。
「げんぞう」にしておこう。
今の容姿にピッタリな渋い名前がひらめいて、個人的にも気に入った!
げんぞうは疲れたのか、その場で大の字になってしまった。
自分でつけておきながらなんだが、げんぞうの名前も相まって、もぐらが一気に老けてしまった様に見えたのが可笑しかった。
げんぞう・・辛かったね。
次からは歩けば良いと思うよ。