密着取材 4日目 晴れ
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ポット犬
この世界には、あんな奇妙な生き物が当たり前のように闊歩(かっぽ)しているのか。
しばらく放心状態でいると、オブジェの中から奴は再び姿を現した。
小ぶりの耳をアンテナの様にピンと立て、しっぽをくるりと一周、時計回り。
ポットのフタをカポカポと言わせながら、軽やかにスキップを始めると、そのまま何処かへ駆けて行ってしまった。
・・・かわいい。きゃわたん...
一瞬にして私の心を鷲づかみしたその生き物を、「やつ」呼ばわりするのも気が引けるので、これからは親しみの意を込めて「ポット犬」と名付けようと思う。