密着取材 7日目 晴れ
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土管の王国?
辺り一面、ゴツゴツとした岩場と猛々しい山々に囲まれていた。
土管を追いかけて着いたその場所は、昼間の青々とした芝の土地とはおおよそ無縁の物に見えた。
そして今、私の目の前には土管がある。
追ってきたあのフラフラと動く土管では無い。
それはそれは壮観な、建造物としての大きな土管だ。
夜の闇がなんとも言えない不気味さをかもし出している。
こいつも耳が生えてフラフラと動き出すのではないか。
あの動く土管は、この大きな土管の中に入って行ったのだ。
待っていても出てくる気配が無いので、私は中へ入ろうと心を決めた。
足が震える。
ビビっているのでは無い、最近少し太って足がテンパっているだけだ。
ゆけっ!私。
すべてはスクープの為に。