密着取材 43日目 晴れ
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下山
まさか自分が登っていた山が、塩と砂糖の大きな塊だったなんて。
カリブに再び目を向けると、どうやら下山しそうな雰囲気だ。
両脇には塩と砂糖の塊をしっかりと抱えている。
家に持って帰るのだろう。
私もカリブと一緒に降りよう。
山以外の場所に拠点探しに向かわなければ。
しかし良かった。
ここでカリブと会わなければ、山の事も知れずに無駄足になるだけだった。
カリブはトコトコと歩き出す。
それに合わせて私も後からついていく。
実は登りより下りの方が足にくるらしいという話を、このタイミングで思い出した自分が嫌になった。
しかしまあ、カリブを観察しながら降りて行けば、気がついた頃にはふもとまで着いているだろう。
その時だった。
そんな私の考えをあざ笑うかの様に、カリブは途端に横になり、重力に身を任せてすさまじい勢いで転げ落ちて行った。
カリブ・・・そりゃないよ!
まりいずめいとの住人達の行動は、本当に先が読めない。